新北市石碇區の山中に廢墟となった仏教寺院があります。以前ハイキング中に見かけ、ずっと気になっていました。廃寺のため地図にも載っておらず情報も少ないのですが、一部ブログなどに登場したり実際に見かけた位置から場所を特定し、ついに機会を得て訪問するに至りました。

訪問にあたりネックとなったのが交通機関。googleマップで見ると割と近くまで道は通じているようなのですが、バス通りからはかなり離れておりひたすら歩いていくか車を用意していくことになります。丁度この日は車を使える機会があったので近くまで運転していきました。

さて、道はあるのですが割りと傾斜がある上に苔や落ち葉であからさまに滑りやすいというのがわかる状態なので、万一のことがないよう慎重に車を進めます

最終的に少し広くなったところで階段になっていたためそこに車を止めました。意外だったのはもう一台車が止まっていたことで、つまり先客がいることになります。また脇には建設時に使われたと思われるインクラインの廃線跡がありました

廃寺となってからかなり年数が経っているにもかかわらず階段は割としっかりしており、 ↑佛光寺という看板も残っています

やがて寺の建物が見えてきました

引き続き階段を上がっていきます

中に入るとなんと仏像や仏具がそのまま残っており廃寺とは思えない雰囲気

しかしちょっと位置をずらしてみるとブルーシートや破れた天井などが見え、やはりここは廃寺なのです


そして奥へ進むとなんと優雅にお茶をしばかれている方々が!しかも簡易的なセットなどではなくフルセットで用意されており、半端ない設備です

話を伺うと毎日ここでお茶をされているそうで、実質管理人さんといったところでしょうか?とりあえずお茶を御馳走になりました

引き続き奥へ進むと下へ降りる階段がありました

洗い場を過ぎて

要塞のような場所に出ました

造りからして宿坊のような場所であったか、そうなる予定であったスペースでしょうか?

最下層の様子。謎のテーブルがあります

かなりの要塞感

でも顔を覗かせる生活感。もしかして先程の方は半分住んでいらっしゃるのでしょうか?

一旦外に出てきました。最初に入った場所は大悲寶殿という名称のようです

さて、階段は下に行くものだけではなく上に行くものもあります

このような場所に出ました

手前側には灯籠

ところでこの寺は達龍法師という方が建てたもので、国有地上にあったため撤去を迫られたものの完全に撤去されることはなくこのような形で残っています。比較的最近の記事で廃墟化したあとも法師は住み続けているという記述があり、タイミングが良ければ御本人に会えるのでしょうか?

先程の要塞を見下ろしたところ

炉のところに来ました

その奥にはこの寺のハイライトと呼べる光景が広がっています。天井が失われ梁と壁だけとなり、その壁に掲げられたレリーフ。そしてその後ろに佇む仏像と山の木々が作り出す独特の世界。諸行無常。

梁はすべて金色

振り向くとこのような感じになっています。普通に奥の部分を歩いてこられるように見えますが、廃材やブルーシートが置かれている部分は床がなかったりするのでくれぐれも慎重に行動せねばなりません

かなり高い場所にあるため眺めは良好

佛光寺へのアクセスは今回利用したルートのほか裏手からハイキングコースが続いており、皇帝殿西峰にほど近いことからショートカットルートとしてここを利用する人もいるようです。ただしおじさんによるとかなり滑りやすいルートのため、雨が降った後は通らないほうがよいとのことでした。

【ご注意】
この廃寺は立入禁止ではありませんが危険な箇所も多くあります。当サイトとして訪問を推奨するものではなく、入られる際は自己責任にてお願い致します