かつて高雄と台東を結ぶ大動脈であった1778路バス。南迴鐵路の開通で衰退し、近年は電化が追い打ちをかけ路線の短縮が続いていました。
直近では他の路線と重ならないほぼ最低限の枋寮-大武の運行となっていましたが、それも昨日7月19日をもってついに廃止…となるはずでした。実際にはなっていないのですが風前の灯であることには間違いなく、少し前に南部へ出かける機会があったので名残乗車をしてきました。

今回は大武→枋寮方向の片道で乗車しますのでまずは列車で大武へ向かいます。大武発車は11:00ですが、これに接続するのにうってつけなのが3005次區間快。10:41に大武站到着で綺麗に乗り継げます

この日は快晴

実は丁度前日に南迴鐵路・公路に関する記録映画を見ており、当時の苦労を偲びながら車窓を眺めると感慨深いものがありました

定刻に大武站到着

駅の外へ出ると國光客運のバスが止まっていました。どう見てもこれから乗る車なんですが、こんなところで休んでいたのですね。バスのりばはここではなく市街の方なのでそちらへ向かいます

坂を下っていきますが快晴=暑いということで、靴底を通じてこれまで感じたことのないような地面の熱さが伝わってきます

昔の國光バスターミナルのような建物がありましたがそうではなく、使われていない観光案内施設のようです
(8/4追記:やはりこれは昔のバスターミナル(國光ではなく前身の台汽)で観光案内施設に転用した、もしくはしようとしたものでした)

バス停に来ました。案内の通り現在は毎日運行の臨時路線という扱いとなっています。廃止予定2週間前ですがその案内はありませんでした

時間になり入ってきたのはやはりさっきのバス

大武から乗車したのは私一人だけ

発車するとしばらくは海岸沿いに走ります。このあたりの海は本当に綺麗ですね

いかにも南国な景色

道の駅のような施設がありました

海の青と空の青

最初の集落南興に来ました。國光の後ろにもう一枚バス停の看板が見えますが、このあたりはまだ東台灣客運と並走しています

台26線が分岐。墾丁に向かう路線ですが未開通区間がありこの先は行き止まり

達仁に到着。ここからいよいよ山越え区間に入ります。ここまで来ても他の乗客はなく、結局終点まで私一人の貸切状態でした。もしかしたら他の時間や逆方向は乗っているのかもしれませんが、正直これでは廃止やむなしというようにも思います。

冒頭で廃止にならなかったと書きましたが、予定日の2日前になって急遽廃止日の延期が発表されました。他に並行路線がなく廃止後は一切足がなくなるため待ったがかかり、土壇場で説得に応じたのだと思います。新しい廃止予定日は2023年末ですが、日統客運・阿羅哈客運の例などからすると最終的にはなくなってしまうような気がします

この路線がなくなるのと沿線住民が困るのはもちろんですが、バスマニアにとっても重大な意味を持ちます。それはバスを使っての台湾一周ができなくなることで、一旦切れた蘇花改開通で繋がったものが今再び切れようとしています

新道・旧道が分岐する地点に森永の地名が書かれた看板があります。森永と言えばあのお菓子メーカーが思い浮かびますが、実は関係があるようです

今は快適な新道が開通していますが、バスは左折して旧道の方へ

後編へ続きます