昨日6月23日より台鐵の運賃が値上げされました。値上げ幅を巡って長いこと議論が続いていましたがようやく決着した形です。
30年ぶりの運賃改定ということでその値上げ幅は大きく、「平均」26.8%となっています。この平均というのが曲者で、これまで距離によらず一律であった運賃率に遠距離逓減制が導入されるため、長距離では影響が抑えられるものの短距離ではかなりのインパクトがありました。

改定に先立ってとある無人駅に説明資料が置かれていましたので、それを見ながら比較していくことにしましょう
まずメインとなる運賃ですが、このようになっています

「定価」となる基本運賃率は區間車が1.47元/kmから2.18元/kmに、自強號が2.27元/kmから3.39元/kmにそれぞれアップします。値上げ率はそれぞれ48.2%・49.3%で、50km以内はこれがそのまま反映されます。5割近い値上げは衝撃的で區間車に乗るのにこれまでの自強號運賃が必要になるイメージです

運賃以外も色々変わっています。入場券は6元から22元へと3.67倍のアップとなりました

荷物の一時預かりも20~30元の値上げ

愛孩票の廃止も話題となりました。愛孩票とは障害を持つ児童に適用される運賃で、小児割引と障害者割引が重複適用されるので定価の1/4となります。これがなくなると短距離では運賃率改定と合わせ負担が3倍ほどになる計算です

そのほか規則も変わっています。ICカードを利用するとこれまでは70km以内なら自強號に乗っても區間車の運賃が適用されましたが、これが50km以内に短縮されます。これはよく利用していたので痛いところです。
また途中下車の規定も変わっていました。遠距離逓減が効くということは途中下車価値が高まるということで、例えば当日中に台北→新竹→台中と移動する場合、台北→新竹・新竹→台中と割高な短距離切符を別々に買うより台北→台中と通しで買って新竹で途中下車したほうが安くなります。従来途中下車駅での滞在時間に制限はありませんでしたが、今回の改定で1時間以内に制限されることになりました。つまり途中駅でがっつり用事がある場合は使えなくなり、安く乗せないぞという意思を感じます

世間の反応を一言でまとめると「値上げは仕方がない。ただ一気に上げすぎ」といったところでしょうか。個人的にはコストパフォーマンスの低下で利用者が高鐵に流れ、ますます混雑するようになるのでは?と心配しています