台湾十大名茶のうち最も近所である台北市文山區が産地である木柵鐵觀音。文山區という地名は聞いたことがなくても貓空といえばご存知の方も多いと思います。非常に有名な茶芸館が密集するスポットで、景観を楽しみながらお茶をいただくことができます。近所にあり、数え切れないほど訪問していますがこれまで茶葉を買いに行ったことはなく、このシリーズを執筆するにあたって初めて購入目的で訪問することになりました。

交通手段も整備されており、バスまたはロープウェイで簡単に行くことができます(ですので今回移動部分のレポートは非常にあっさりです)。今回は政治大學からバスを利用しました。棕15または小10どちらでも行くことができます。
(2018年4月26日より貓空方面は他の路線と停留所が分離され、ワトソンズ向かいに移っているので注意)

MRTを利用して行かれる場合は動物園駅から棕15を利用されるのが良いかと思います(萬芳社區発の小10は本数が少ないです)。

今回訪問したのは六季香茶坊さん。樟湖歩道停留所で降りると目の前です。ロープウェイを利用する場合は駅を出て右手の道を進み徒歩10分くらい。


入口の向かいには茶畑。脇にはハイキングコースがあり、天気が良ければバスを使わず歩いてくるのもまた良し(政治大学から1時間弱)。

隣にある晨曦茶坊さんは弟さん経営の店で、そちらも評判が良いようですので雰囲気が気に入ったほうを選べばよいと思います。
「茶坊」という店名の通りメインは茶芸館。生憎の天気でしたが盛況でほぼ満席。ピーク時にお茶をしたい場合は予約したほうがいいかもしれません。

茶葉の販売もしていて買い物に来た旨を告げると奥のテーブルに通されました。そして最初に見せていただいたのがこれ。かぼちゃ系の野菜にも見えますが、何かわかりますでしょうか?

鐵觀音茶は生産過程で茶葉を布に包んで球形揉み上げ、布ごと焙煎するという工程がありこれはその布に包まれた茶葉になります。

初めての店で茶葉を購入する場合は試飲は欠かせません。棚に並んでいる茶の中から2種類ほど選び、淹れていただくことにしました。

ここで販売されているお茶は主に3種類。大陸から伝来した品種、オリジナルの六季香、そして紅茶です。さらに六季香には茶葉が開いているタイプの「奇種六季香」と丸まっているタイプの「六季香」がありました。当シリーズで取り上げる店ですのでもちろん自產自銷(生産直売)です。さらにここのお茶はすべて有機栽培とのこと。
価格は四兩(150g)あたり600元~と高価な部類に入り、日月潭紅茶や梨山茶などと同じ価格帯になります。ただし販売は75gもしくは100g単位なので、お土産に買いやすくなっています。今回は「鐵觀音」「奇種六季香」をお願いしました。

鐵觀音は焙煎が効いた正統派の風味で、奇種六季香は発酵度が低めであっさりとした味わい。どちらも一番低いグレード(300元/75g)でお願いしましたが、十分美味しかったので鐵觀音はそのままこれを購入することにし、奇種六季香は私の好みよりあっさり目でしたので、味が濃いという六季香へチェンジすることにしました。
淹れていただきながらお勧めの抽出温度と時間を確認。これを忘れて適当に淹れてしまうと帰宅後がっかりすることになります。茶葉は入れすぎず(茶器の1/4~1/5くらい)、お湯は100度で茶葉が少ない場合は60秒、多い場合は40秒とのことでした。
その後鐵觀音紅茶も淹れていただき、頭木紅茶にも似た風味のこれもなかなか良いお茶でした。

一通り堪能し、お会計しようとすると「バタバタしていてあまりおもてなしできなかったから」と六季香をワンランク上のものに交換してくださいました。ありがとうございます!
ここは美味しい料理や茶葉アイスクリームもあるようなので、次回は友人を連れてお茶会をしに来たいと思います。

六季香茶坊
台北市文山區指南路三段34巷53號
02-29364371


バス棕15/小10/貓空遊覧右線「樟湖歩道」下車すぐ
無休
月-木 10:00-0:00
金-土 10:00-3:00
日 10:00-2:00