臺灣新文化運動紀念館は迪化街の北東にある歴史建造物です。元は日本統治時代に建てられた警察署でした。
この施設の主な狙いは新文化運動、非常にざっくりした言い方をすると日本統治下における台湾人知識分子による権利の主張を紹介することにあるのですが、日本から観光に来られる方にとっては建物自体の方が興味深いと思いますので、そちらに絞って紹介したいと思います。

建物は当時としてはモダンなコンクリート2階建て。寧夏路と保安街の角にあり、警察署らしい立地

一歩入ると洒落た空間が広がり、警察署というより美術館か博物館のようです

入ってすぐの左手にはカフェがあり、街歩きの休憩にも良さそう

正面には立派な階段。2階は署長室などがあった場所で、イベントスペースとして使われています


階段向かって右の通路沿いにある各部屋で新文化運動に関する展示が行われていますが、その紹介はまたの機会にして奥へ

この廊下に設置された丸窓は当時流行の設計で海線の駅や林百貨店などでも見ることができます

突き当りを左へ行くと最大の見所である留置場が見えてきました

まさに牢屋という言葉がぴったりな扉は時代劇のよう

柵の外側にあるこのレバーは内側にあるトイレを流すためのもの。証拠隠滅を防ぐための仕組みで、同じものが台南の司法博物館にもありました

隙間から中を一枚

反対側に回ってきました

留置場に入ることもできます

監視台。一人で全て見られるよう牢は扇形に配置されています。これは刑務所と同じですね

監視台の裏は洗面台

この床に空いた穴は水牢

水をいっぱいに入れると水深は120cmほどになり座ることはできず、拷問の一種となっていました

これまで見てきた感じからしますとかなり前にお役御免となった建物に見えますが、なんと2012年に隣へ移転するまで80年間現役の警察署として使われていました。
21世紀になってからも水責めが行われていたのでしょうか?

一見の価値がある施設ですので、迪化街散策などと合わせて訪れてみるとよいかと思います