花蓮港線は北埔-花蓮港を結ぶ7.4キロの貨物線で普段は石灰石の輸送が行われるほか、新車の搬入などにも使われます。
つい先日はEMU900型電車の搬入に使用され、話題になりました。

以前から存在が気になっていたそんな花蓮港線を訪問してみました。

まず路線概要について簡単に説明。
北埔駅から来た線が花蓮駅手前で分岐して左に90度カーブ。東北東へ進み再度90度カーブして南下し花蓮港駅へと至ります。さらに地図上では花蓮駅-花蓮港駅間の連絡線も存在しており、デルタ線を形成。

綺麗に並行する道路はなく、全線に渡って追いかけるのは難しいので主要ポイントをピックアップして訪問しました。

まずは地点1へ。花蓮駅方面からの本線と花蓮港線が分岐している地点です。

地図上ではこのあたりから分岐が始まっているはずなのですが…線路は本線の2本のみ。
実は花蓮駅~貨物線同士の合流点は既に廃線。しかし地図上では残っているのでなにか残っているかも?と思いましたが、完全に撤去されているようです。

踏切から花蓮駅方向。左の草むらが廃線跡ではないかと思われます。

北埔方向。やはり右手にあったはずの線路の痕跡は見当たりません。

続いて地点2へ移動。北埔方面からの線路が分岐している地点です。
こちらは現役なのでもちろん確認することができました。写真左手前が花蓮駅へ向かう本線、奥が花蓮港線。

線路脇に謎の駅名標がありましたが、これは台鐵のものではなく民宿のオブジェ。
花蓮港線列車の観察には最適な民宿かもしれません。

北埔駅方向

続いて地点3へ移動。かつて貨物線同士が合流していた場所です。
到着して撮影を始めるとなんと丁度花蓮港からの列車がやってきました!

右の方に少し機関車が写っているのがわかりますでしょうか?

さらに列車はどうぞ撮ってくださいと言わんばかりに一時停止。

列車が去ったところで北埔方面への線路を観察。本線との合流点までは細い道が並行しており、徒歩であれば追いかけることができます。

花蓮駅方面は撤去されていますが、跡はわかります。左手中央に木がこんもりしている箇所がそれで、航空写真で見るとはっきり廃線跡とわかる不自然な細い森が続いています。

次に向かったのは道路と線路が交差する地点4。一見すると鉄道との交差地点とはわかりませんが、

橋から下を覗くと掘割の中を進む線路が見えます。

花蓮港線はほとんどが立体交差で電化もされており、なかなか力を入れて作られた路線であることがわかります。

そして終点花蓮港駅を目指します。到着する少し手前の地点5で初めて踏切を見かけました。


そして花蓮港駅に到着。旅客駅ではないので事務所感がある駅舎です。

駅の少し先にいい感じの観光用歩道橋があり、駅を見下ろすことができます。

そして反対側を見ると線路はまだ延びており、船からの積み下ろしする岸壁まで繋がっています。かつてはその先、旧花蓮駅を通って本線まで続いていました。

いつか花蓮港線を走る列車に乗ってみたいですね。普段旅客列車は運行されていませんが、団体列車などで実績はあるようです。