日本同様温泉大国の台湾。人工の浴場だけでなく河原に湯が湧き出る野溪温泉が各地にあります。
その中でも個人的に最高だと思っている文山温泉を再訪してみました。

文山温泉が所在するのは花蓮の山中。有名なタロコ渓谷のあたりです。しかし主要な観光ルートからは外れており、公共交通で訪問しようとすると少々骨を折る必要があります。

まずは花蓮市街からバスで終点の天祥まで乗車。ここまでは割と本数があります。
そこから先は徒歩

徒歩区間は2.5キロほど。ただしこんな景色を見ながらですので苦になりません

文山のバス停を過ぎると温泉までもうすぐ。バス停があるということはバスがここまで通っているわけですが、1日2往復と極めて少なくよほどタイミングが合わなければ利用できません

トンネル脇の小道が入口。少し手前に駐車場もあります。
花蓮からバスで90分、さらに徒歩で30分少々かかっていますので後述の理由も含めて車での訪問がお勧め

この小道は文山溫泉步道という名称で整備された道が続いています

急な階段を谷へ向かってずんずん下っていきます


吊橋が見えたらもうすぐ

「5人まで、揺らすな」


さて、橋を渡るまではいいのですがその先は急に道が悪くなります。というのもしばらく前に橋より先を管轄する役所が変わり、その際に元の役所が設置していた階段が撤去されてしまったのです。
そのため割と急な岩場をロープを伝って降りていくことになります。なお川側には柵などないので転落には十分気をつけなくてはなりません。

無事降りきると視界いっぱいのダイナミックなタロコ渓谷の風景が


そしてついに温泉とご対面!以前訪問したときとは様子が変わっており、河原をちょっと掘った感じであったのが洞窟を利用した天然の浴槽ができていました

お湯が流れていく方向に手前の人が持ち上げている有志が設置したビニールがあり、うまく湯が貯まるようになっています。当然オープンな混浴温泉ですので水着は必須。
しかし以前はハイキングコースの途中に設置されていた更衣室は撤去されてしまったため、着替えについてうまく考える必要があり、その点でも車があると便利。

透明感のある青色で無調整の天然浴槽とは思えない丁度いい湯加減

丁度横になれる浅い部分があり、お湯の吹出口あたりにいるとジャグジーのような感覚も味わえます

何よりもこの景色を見ながらの入浴、最高というよりほかありません

川にお湯が流れ込むあたりを掘っても温泉を楽しめます

河原から吊橋を見上げる

入浴を終えた帰り道。この道を一人で歩いているとなんとも言えない気分になります

[注意]
この温泉は2005年に発生した落石で一度閉鎖され、その後再開された・そのままなどネット上では情報が錯綜しています。そのため当日もダメ元で訪問しましたが、訪問時点での状況は「積極的にお勧めはしないけど行くなら自己責任で」となっており、実際多くの訪問者がいました。
しかし本文中の通り危険な区間があり、また運用が変わって閉鎖される可能性もありますのでリスクを御理解の上で訪問されるようお願いします。少なくとも地面が濡れている日は避けるべきです。