台鐵では毎日多数の列車が運行されていますが、以前からとても気になっている列車がありました。莒光502次です。
時刻表で見るとこんな感じ
なんと樹林を発車すると次は終点の台北、しかもほぼすべての列車が停車する板橋は通過となっています。さて、これは一体どんな列車なのか?実際に乗ってみることにしました。
発車案内。特に変わったことはない普通の莒光號ですが、そもそも台北行というのがかなりレア(台北近郊だと普通は車庫のある七堵や樹林などが終点)
先発の自強が出た後入線。樹林から出庫する列車が利用する3番線です
列車が到着するとお客は皆後ろの方へ向かってゾロゾロ歩いていきます。というのも案内にある通りこの列車は1~3号車のみ乗車可能なため
では乗れない車両はどうなっているか?というと…
ハローキティ一色。
台鐵列車に詳しい方ならもうお気づきかと思いますが、これはEz travelが運行する団体専用列車「環島之星」に充当される車両です。そのため4号車以降の特別車両は締切となっており、一般客は利用できません。
団体専用列車は台北始発で、その送り込み回送を営業運転している感じです。かつての国鉄・JR通勤ライナーのようですね。
ドアカットはできないようで、乗れない車両の前には駅員が立って誤乗を防いでいます。
どうでもいいことですが、樹林3番線は始発・終着駅感があって好きです
行先表示
確かに「今は」莒光502次
わずか一駅ですが、台北行きのためかそこそこの乗車率
これが今回使用したきっぷ。短距離運行ですが全車自由席にはならず原則通り全車指定です。
とはいえおそらくほぼ全員がICカード乗車で、指定を取っているのは私くらいではないでしょうか?
川を越えて板橋區へ
この列車の見どころの一つ、板橋駅通過シーン。他の列車ではまず体験できません。
別に停めても支障はないと思うのですが、回送列車としての性格が強いせいではないかと思っています。
車内表示器。502次で
停車駅は始発と終点のみ
「終着」台北に着くと乗客は皆降りてしまいました。ここからこの列車は本来の仕事である「2次」に化け観光列車として運行されます。
そのためアナウンスも特異で終点とは言わず、「この先はこの列車のきっぷをお持ちでない方は利用できませんのでお乗り換えください」となります。
実はこの先も一般車両はツアー客以外も利用可能なのですが、規則が変わります。502次区間はICカードでの立席利用可、2次区間は不可。
車外に出るとすでに表示は変わっていました
続々とツアー客が乗り込んできます
さて、何故通しで運行されるにも関わらずわざわざ別列車として一駅だけ運行されているかですが、以下の理由かと思われます。
1つ目は先に挙げたとおり規則異なるため。全区間2次としてしまうと樹林-台北間もわざわざきっぷを買わなければならず不便です。お客さんも座席分しか乗せられません。
2つ目はこれが最大の理由かと思いますが、環状線一周を超えてしまうためです。2次として台北を発車すると台湾を一周し、再び樹林を通過して台北へ戻ってきます。つまり樹林-台北間がダブってしまうことになり、システム上設定できないのでしょう。
(ちなみに一周するだけでもかなり特殊で、そのために専用の駅コードが用意されています)
以上特異点がいつくもある、一駅で終点列車の乗車レポートでした