ほぼ2年ぶりの台湾十大名茶シリーズ。今回は南の方へ行ってきました。

一般にお茶の産地は標高の高い寒暖差の大きなところがもてはやされ、高級とされます。一般的に高山茶と総称されるもので、代表的な例が梨山茶や阿里山茶ですね。また同じ産地でも例えば杉林溪あたりですと標高1200mと1600mでは600gあたり400元くらいの価格差があります。

では標高が低い産地はだめなのか?というとさにあらず。台北市内の産地木柵鐵觀音は高級茶ですし、宜蘭の平野部にもいい茶があります。今回紹介するのは高山茶の真逆を行く「標高最低」「台湾最南端」の茶「港口茶」です。

港口茶の産地は台湾本島の最南端に近い屏東縣滿州鄉。地図見るとこのあたり

アクセスは恆春からのバス。下車するといかにも南国らしい長閑な風景が広がっています

いい感じの緑

バス停脇には早速「港口茶」の看板。この看板に従って歩いて行きます

看板通り坂を100mほど上がると

ありました。右の古い建物が気になりますが、入るのは左の方。到着が9時少し前で開いていなかったのですが、少し待っているとご主人がバイクで登場し中へ

壁には茶缶が並んでいますが、その下に並んだ埋込式スピーカーがちょっと気になります

早速お茶を淹れて頂き試飲開始。緑茶を濃くしたような色で、港に近く「海の味がする」とも言われるお茶ですが渋みのある独特な風味をしています。この茶は雪犁種という台湾に茶が伝わった当時のままで未改良の品種。甘みをもたせた現代の品種とはまったく違う原始的な味で、新鮮な体験でした

面白いのは同じものを買ったはずなのに持ち帰って淹れてみるとまったく違う色で渋みがより強かったことです。淹れ方なのか水なのか、今度機会があれば聞いてみたいところ

バッケージは普通の茶筒と紙包みのものがあり、迷わず紙包みを購入。見た目も特色があっていいですし、嵩張らないのがバス旅行の身にはありがたいところ

一包が75g(二兩)で、2つで一般的な150g(四兩)になります。ご主人は「お役所からの依頼で一兩(37.5)を作らされちゃって大変だったよ」いう話をされていました。普段作らない特注の小さなサイズを沢山作ったので大変だったようです。
茶園も見て行きたかったので場所を尋ねるとそこの坂を数分上がればあるよ、とのことでしたので早速向かってみます

この道を上がっていくと

茶畑と作業小屋がありました

もう少し行くと展望台のような場所があり、そこから茶畑を見下ろし。港口茶の名の通り茶畑と河口が一緒に視界へ入ります

少し視点をずらすと道路橋とその左側に吊り橋が見えます。観光スポットのようなので後で行ってみることにします

バス通りに戻ってきました。ここでまた一軒別の製茶所を見つけましたが、雜種茶というのが気になります

ちょっと造りが変わっている廟がありました。左から読んでしまうと福山茶という茶の名前みたいですが、右から読むのが正解で茶山にある福德宮というのが正解。地名になるほど茶と深い関わりがある土地であることがわかります

折角なので参拝

さて、吊り橋のところへ来ました。原発の緊急避難看板がやや物騒ですが、気にしないことにしましょう

渡る前に橋の向かいで気になるものを発見

港口茶ソフトなるものがありました。これは試さねば

一つ50元也。ほうじ茶ソフトみたいな見た目ですが、風味的にはちょっと苦味を強くした感じでしょうか?とりあえず美味しかったです

では改めて料金(20元)を払い吊り橋へ

橋の真ん中から河口

橋の反対側は自然観察歩道になっていました。20元はここの管理費ということのようです

河原に降りることもでき

吊り橋全体を眺めることができます

バスの時間になったところで戻り、港口を後にしました