「スマホを日本へ送る」

こう言葉にすると簡単なように思えますが、実はこれ割と大変な行為です。今回縁あってスマホを発送する機会がありましたのでその顛末を記しておきたいと思います。いつもの記事と異なり文字ばかりで長いので興味がないという方は飛ばしていただければと思います。

そもそもなぜ大変なのか?というとスマホに含まれるバッテリーが危険物指定で輸送禁止になっているからです。よってスマホに限らずノートPCはモバイルバッテリーなども同じ制限があり、逆にこれらでも取り外し可能で実際に外せば問題なく発送することができます。
こういう規制があるため郵便局をはじめ多くの配送業者で引受を断られます。もし発送されて発覚した場合以前はその罰金を郵便局がかぶる仕組みになっており、かなり神経質になっている感があります(現在は規則が改正され郵便局から差出人へ請求がきます)。

そんなわけで郵便局・佐川などは使えないことはわかっていたのでまったく送れないのか?調べるとそんなことなはなく、DHLでは引き受けていることがわかりました。わざわざ公式サイトに「スマホウェウカム!」みたいなことが書いてありますので、需要が多いのでしょう。ということで発送手順説明を見ると

・梱包して重さをチェック。専用梱包材はセブンイレブンで配布しているよ
・オンラインで送り状を記入、支払いをする
・通関アプリをダウンロードして登録する
・セブンイレブンに持ち込んで発送

となっています。まずは梱包材入手ということで近くのセブンイレブンに行くと
「うちには置いてないですね」
いきなりのつまづきです。切らしていたのか扱っていなかったのかはわかりませんが、無いものは仕方がありません。あちこち探して回るのも大変なので手を変えることにしました。たまたま自転車の距離にDHLの物流センター兼営業所あるのでそこなら確実にあるだろうと思い、カスタマーサービスに1度目の電話。
「営業所での発送は受け付けていますか?」
大丈夫だったのでついでに改めてスマホ発送OKも確認し、先にオンラインで送り状・インボイスを登録し支払いをします。

続いて謎の通関アプリをダウンロード。郵便局からの発送ではやらない手順です。実名登録が必要で、本人名義の携帯番号であればキャリアに自動で契約者照会が行き認証できるはずなのですが、プリペイドは対象外で通らすここでも軽く引っかかりました。幸い身分証の写真をアップすれば中の人が手動照会をしてすぐに認証状態になり次へ。送り状の登録はよくわからなかったのでここで放置。

そしてDHLの営業所へ移動。いかにも物流センターといった風情の敷地の一角に小さなカウンターがあり、そこで受け付けていました。クロネコさんみたいな感じです。そして送り状番号の通知SMSを見せると??バーコードないの?とう反応。
もしかして印刷してこなくてはだめだったのか?と思っていたら出せました、と書類を受け取り通関アプリの登録方法もレクチャーしていただき無事終了。しかしホッとしたのもつかの間
「これは…ここでは送れないですよ。支払いもされているし、セブンイレブンでしか受付できないんです」
支払いをせずに来るのが正解だったのか?でもそれだと画面が先に進まなかったような...後で知ったのですが「営業所から発送」「コンビニから発送」「郵便局から発送」は全部別のURLから入らないとだめなのです。まさに初見殺し。
仕方がないので包装材だけもらい、せっかく営業所にいるのに近くのセブンイレブンへ移動します。

そしてセブンイレブン。iBon端末で操作すると発送メニューにDHLがないので焦りましたが、受付番号入力メニューに入力するとちゃんと出てきて受付票を出すことができました。そしてレジへ持っていくとまさかの一言
「うちはDHL扱ってないです」
え、公式サイトには一部のセブンイレブンのみとは書いていないしGoogleマップでもDHL受付として表示されるのですが??ダメ元でその店員さんに受け付けている店を知らないか尋ねると
「この辺一帯の店舗はダメですね。その外なら…」

これではいつ発送可能店を見つけられるかわからないのでカスタマーサービスに2度目の電話
「受付可能な店舗を紹介してください」
対応してくれたお姉さん
「え、営業所行ったのに引き受けて貰えなかった…?なるほど、すでに支払い済みで…そして中身は…スマホ?!それだと小包になるのでコンビニからの発送は無理ですね」
…もう訳がわからなくなってきました。ちゃんと公式サイトの説明に書類のほか小荷物も書かれているのですが、実際に受付できるのは書類だけなのでしょうか。ではどこに行けば送れるのかと尋ねると
「郵便局なら小包もOK」
でもこの流れだと同じことの繰り返しになる予感(実際上記の通り郵便局発送は別メニューなので行ってもできなかった)がしましたし、自社ではスマホ発送NGな郵便局がスムーズに受け付けてくれるとは思えません。それにこれ以上のたらい回しは勘弁なので他の対応を尋ねたところ
「営業所の近くにいるなら支払済みの運賃を返金するのでもう一度行って改めて支払ってください。こちらから連絡は入れておきます」
ということで返金+再手続きという対応になり、さっきいった場所に逆戻り。
店舗受付で再登録、支払いをしてようやく発送することができました。カウンターのおばちゃんは梱包もしてくれましたし、対応は親切で良かったです。結局トータル半日ほどかかって発送にこぎつけることができましたが、バッテリー一つでここまで手がかかるとは思っていませんでした。

今後もし機会があったら「営業所からの発送」メニューから入ることを覚えておきたいと思います。

—以下感想—
DHLは運賃が高い(EMSの2倍くらいする)けれど、トラッキングはものすごく細かく出るうえ反映もかなり早い・スピードもピカ一(夜差し出したのに翌朝にはもう成田に。最速経路を選ぶようでわざわざ香港経由で飛んでいた)などそれなりのサービスをしている感じはしました。さらに今回税金がかかる案件でしたがサクッと建て替えて素早く配達に向かっており、特に急ぐ場合は有効だと思います。
逆に規制品以外を手軽に送るなら圧倒的にEMSですね。若干遅くはなりますが手続きは簡単ですし、料金も半分ほどで済みます。