台鐵の列車が乗り放題となるTR-PASS。一人用三日間版の発売額が1800元と安くなく、自強號で台湾一周するくらいでないとお得にならない(台北-高雄の往復でも損になる)のでこれまでなかなか利用する機会がありませんでした。
特に近年では割引運賃が設定される列車が増えており、ますます遠ざかっていましたが先日利用する機会を得たので紹介してみたいと思います。

こちらが本券。JAPAN RAIL PASSのような台紙に端末券が貼り付けられています。
しかしそれにしてもホチキスを使った豪快な留め方です。

利用したのは昨年12月、政府の国内旅行奨励キャンペーンで33%引きの1200元となっており買いやすくなっていました。

このようなスタイルなので自動改札は使えず、有人改札から出入りすることになります。
(後述しますが部分的に利用することは可能でした)
左下に6箇所ある欄はJAPAN RAIL PASSの指定券発行欄と同様指定券発行時に押印していたようですが、現在のシステムでは使われないようで最後まで空欄のままでした。

このままでも着席保証のない無座票として利用することができますが、当然指定を取ったほうが快適に利用できます。またそもそも指定なしでは利用できない列車もあります。
指定は通常のきっぷ購入と同じで窓口でパスを提示し発券してもらいます。ネット予約も使用可能。


2枚ほど発券例を示しました。いわゆる「指のみ券」で、通常のきっぷと同様のスタイルで「座位券」と印字されています。
また證xxxxとパスの券番も印字され、紐付けられていることがわかります。

そしてお気づきかもしれませんが自動改札のパンチが入っています。本来有人改札を利用するよう案内されており、指のみ券には自動改札を利用できる磁気情報が入っていないものだと思っていました。
しかし試しに投入してみたところがっつり入っており、普通に入出場できてしまいました。だからといってパス本体がなくても旅行できるというものではなく、頻繁にある車内改札ではセットで提示しないと無札扱いになります。

指定は回数制限なく取れますが、乗車時間が重複する券を2枚以上取ることはできません。これにより座席が浪費されることを防止しています。
実際に発券済みの列車と乗車時間がほんの少し被る列車をオーダーしてみたところ、エラーとなり発券できませんでした。なかなか優秀なシステムです。

このパスは環島周遊券を前身としており、通常運賃ですと前述の通り一周するかある程度乗り回すかしてがっつり鉄道を利用する人向けのきっぷと言えます。私は
台北→花蓮(莒光)
花蓮→台東(普悠瑪)
台東→枋寮(普快)
枋寮→高雄(自強)
新左營→枋寮(自強)
枋寮→彰化(自強)
彰化→台北(自強)
と利用しましたので十分元は取れました。
なお4人同行版は極端に安い設定になっており、台北-嘉義往復程度で元が取れてしまいます。