前回の台北當代藝術館つながりでその新北市版とも言える新北市美術館を取り上げたいと思います。2025年4月新北市鶯歌區にてオープンしたばかりの新しい美術館で、當代と同じく現代アートを展示内容としています。
通常入館料が100元かかるところ展示物入れ替え期間は一部フロアが見られないことから無料解放されるということで、普段足を向けない美術館に行ってみることにしました。

ところでこの美術館、少し前にニュースでやり玉に上がっていました。曰く「休日の昼頃でもまったく人がいない。すでに蚊子館(利用されていないもの、ハコモノ行政を中国語ではこう表現する)になっている」
不評の理由としては「建物はいいが中身が釣り合ってない」「動線とテーマが不明確」「一つの作品ごとの空間が大きすぎ無理に埋めている感じがする」などとなっています。もちろん評価する声もあり「素晴らしい快適な環境で親子で散策するのによい」「芸術が台北に一極集中しなくなることに意義がある」などがありました。
総じて建物に対する評価は高く、中身については低いという結果ですがそのあたりも含めて見てみたいと思います。

美術館は鶯歌駅から近く、駅前にあるこの新通路を通っていくとすぐです。実は最初これができていることに気づかず従来の道を大回りして行ってしまいました

外観はこちら。かなり立派な建物でものすごい存在感を放っています

美術館のロゴ。台北は藝術館ですが新北は美術館です

一階部分は通路と売店になっていて展示スペースはありません。2階以上と地下の2箇所に展開しています


前述の通り入館料は通常100元

まずは地上部分から見ていきます。2階にあった「準時下班(定時退社)」という作品。実際に美術館の事務室で使われていたデスクが素材だそうです

引き出しに入ったお菓子のゴミが妙にリアル

3階は入換作業中のため非公開。このために無料で入れるというわけです

4のフロアに上がると変な自販機がありました

これも作品でお金を入れることはできるが商品は出てこず音楽が流れるとのこと

壁には度假(バケーション)|海という作品

なぜか北海道関連のもので構成されています

最近世間を騒がせているクマも登場

こちらは放送中という映像作品


地上部分はここまでで今度は地下の展示室へ。こちらでは原住民アーティストの「花心」という作品を展示していました


心臓がモチーフの2作品



親子の工作スペースもありました。どのテーブルも埋まっていて好評のようです

日本人家族も来たのでしょうか?

外に出て周囲の公園を散策。この日は生憎の曇り空ですが天気が良ければ気持ちよさそうです


一通り見て不評の原因がわかったような気がしました。解説が付けられている分當代よりは優しいですがそれでも内容を理解するのは難しく、万人受けするのはなかなか困難。また(施設名からも現代アート美術館とはわからず)誰もが名前を知っているような有名芸術家の作品を期待して期待して来た人は失望してしまいます。作品が悪いわけではなく、見学者の期待する内容との間に大きなギャップがあるのでそれを埋めるのが重要であるように思いました。
あと地上と地下で完全に分断されてしまっている動線はイマイチでしたので、中で繋がっているような造りにしたら良かったように思います

帰りは最短経路で駅へ戻りましたがその途中で建設中のMRT駅が見えました。これが開通してアクセスが良くなればまた風向きも変わってくるかも知れません