かつて台湾各地ではサトウキビが生産され、それを輸送するためのナローゲージ鉄道が多数運行されていました。しかし輸入品に押されて衰退し、現役で残っているのは雲林縣の虎尾糖廠のみとなっています(観光用に転換された路線はいくつかあります)。

ここも毎年「今年で最後」という噂が流れますが、2017~18年も無事運行されています。純粋な貨物鉄道であり、見るだけで乗ることはできませんが、たまらない魅力があり毎年撮影に出かけています。

サトウキビ列車が運行されるのは毎年12月~翌年3月頃の平日。運行が開始されるとこのような「運行を始めたよ!」という幟が立ちます。これは観光客向けというわけではなく、列車の運行がない季節は線路が駐車場代わりになっていたりするので車などを置かないよう注意を促す意味があります。

市街地区間の線路。この手作り感・生活感あふれる様子がたまりません。


さて、このサトウキビ列車は普通の鉄道に比べて追いかけるのが難しくなっています。というのも貨物鉄道なのでダイヤが公開されておらず(そもそもきっちり決まっていない)、経験やネットの情報が頼りです。また平日のみの運行で週末旅行などでは見ることができません。そして市街地区間以外で撮ろうとすると車やバイクを用意しておく必要があります(行き先をきっちり指定できないのでタクシーでは難しいと思います)。
できれば前日午後までに現地入りし、踏切など要所に立っているおじさんに運転時刻を聞いておくのがお勧めです。

第一便は8時過ぎに出庫してきました。

40両の堂々たる編成でかなりの迫力。


車やバイクがない場合は積み込みを終えて戻ってくるのを待ち、サトウキビ満載の列車を撮影することができます。概ね2時間弱で戻ってくるようです。

足を確保できた場合は積み込み場まで追いかけることができます。40両の貨車はいくつかある積載ポイントで少しづつ切り離されていきます。

積載ポイントではこのような感じでトラックを使い、線路脇に設けられた盛り土の上から豪快に積み込みが行われます。



終点に着くと機回しをして再び機関車が先頭になるようにして工場へ折り返します。

復路は各ポイントで満載になった貨車を連結していき、編成が長くなっていきます。

併用軌道区間にて


踏切通過中

高鐵との交差地点付近の通過シーン

このままでいつまで残るかはわかりませんが、是非いつまでもなくならずにいてほしい風景です。

訪問日 2015.12.29/2015.12.30/2018.1.3