台湾各地には多数の國宅=国営の集合住宅があります。そのほとんどが眷村(軍人・公務員とその家族の居住地区)を前身とし、老朽化による建て替えの際に団地形態となったものです。要は一般市民が住んでいる住宅なので通常ならわざわざ行く場所ではないのですが、中には非常に特色があり観光スポットになっているところもあります。
そのうちの一つが高雄市の果貿國宅です。元は海軍の眷村で、特色ある建築が有名なフォトスポットとなっています。
当日は台鐵內惟駅からUbikeを利用してアクセスしましたが、徒歩でも十分いけそうな距離でした。5分も走ると前方に見えてきます

各棟にある古めかしい号棟表記が実家の近所にある公営住宅を思い起こさせます

南側から入るとそこは傳統市場でした

中は普通の傳統市場ですが、仕切りの形状などにどことなく國宅味を感じます


違法駐車発見

階段から見下ろし。市場は1階だけでここから2階へは行けなくなっています

では何があるかというと、なんと全聯(スーパーマーケット)です。普通市場とスーパーマーケットは競合相手で、全聯が入って市場を追い出すケースはいくつも見てきましたが共存しているのは珍しいです。まさに呉越同舟

外にも場外市場が展開しています

フォントがバラバラで非常に読みづらいですが、國強堂中藥房?いかにも元眷村らしい店名です

市場は更に奥へ続いており、非常に賑やかな場所に出ました

果貿國宅は安価で美味しい眷村グルメも重要な見どころの一つ

パッと見では何かわかりませんでしたが、看板を見たところ豚の丸焼きでした。確かに脇にある塊は豚肉ですね

ここからは特徴的な建物群がよく見えます


さて、ここではお目当ての店がありました。多くのブログに登場する烤餅を売っている店なのですが…ここのようです

やはり名物のようで行列ができています。しかしサクサク進むので時間はかかりません

ものすごく横長なメニュー

こちらが看板メニューの烤餅。「餅」の字がありますが日本の餅とは関係なく、小麦粉を焼いたもの全般に使われます。ここではパンやパイに近い食べ物ですね

3点ほど選び、お持ち帰り。いただくのは後にして目的の場所へ向かいます

やってきたのは8号棟と9号棟の間。大きくカーブした円弧形の建物が特徴ですが、その中央に立ちスマホカメラを広角モードにして撮ると

カーブが強調されこんな絵になります

立っている場所は公園となっていて、住民の憩いの場として賑わっていました

国旗があるのが國宅らしいですね

1階部分にはお店が入っていますがどこも年季が入っています

この独特の看板は号棟番号-位置番号のよう

この果貿國宅は独特な外観から「台湾の香港」と呼ばれ、「地元民は(日常なので)何も感じないが、他所から来た人には面白いスポット」との評があります

東側に移動するとそこは中古市場

日用品からガラクタまで様々なものを売っています。奥のひっくり返った電鍋が気になりますね

フォトスポットあり・グルメあり・市場ありと非常に楽しめるスポットでした。活気があり台湾人の生活を覗けるので旅行者が散策する価値は十分にあると思います