台湾十大名茶シリーズの7回目は台湾高山茶です。このお茶は十大名茶のなかでも範囲が広く、標高1000m以上の産地で採れるものはほぼすべて高山茶に含まれるためいくつもの産地があります。
代表的なものは阿里山茶、杉林溪茶、梨山茶、玉山茶などで、阿里山は別途阿里山珠露茶として十大名茶に名を連ねており、杉林溪茶は凍頂茶と地域がかぶることから梨山茶を選びました。また梨山自体が私の好きな場所であるということもあります。

梨山までのアクセスはこちらこちらをご覧頂きまして、その続きとして書かせていただきます。

バスを降りた目の前にあるのが梨山のシンボル梨山賓館。大変歴史のある旅館で、地震の被害を受け一時期廃墟化していましたが今は立派に復活しています。


ここは歴史的建造物という側面もあり、蒋介石展示室は誰でも自由に見学できます。

バス停近くにあるモニュメント。梨山は標高2000m近い高山地帯。

展望台からの景色。町のいたるところで絶景が待っています。

時間は既に午後なのでまずは暗くなる前に茶畑を探します。ビジターセンターでどこに行ったら茶畑が見られますか?と尋ねると「うーん、これといった場所はないわね。その辺を歩いて見えたらそれがそうよ」とのお答え。ということで来るときそれらしいものが見えた方向へ歩いていきました。

メインストリートの一角。このあたりには旅館が集中して、観光地の雰囲気。

町外れの方向へと進んでいきます。途中で予めチェックしておいた茶葉店の場所も確認。

店などがなくなってきたところでこの看板を発見。行ってみることにしました。

道を折れると長い急な下り坂が続いています。この坂、下りはまだ良かったのですが帰りはジグザグに歩かないと上りづらいくらいでかなり大変でした。

沿道は一面の果樹園。梨山は茶の産地でもある以上に名前の通り梨やリンゴ、桃の一大産地なのです。

肝心の茶畑はと言いますと、先の方に広がっているのが見えました!少し距離はありそうですが、行ってみようと思います。
が、実際に歩いていくとなかなか着きません。見通しがよいため実際より近く見えるようです。さらに直線距離では近くても道はつづら折りで実際に歩く距離はかなり長くなることがわかりました。

1kmほど歩いたところで眼下に比較的大きな茶畑が見えてきました。頑張ってそこまで行こうと思い進んでいくと分岐があり、見えた茶畑は左に折れて下る道。しかし先程看板のあった明秀さんまであと60mという案内があり、まずは直進してそちらへ行ってみることにしました。

到着直前にあったキャベツ畑。高原と言えばキャベツの産地でもあります。

明秀さんに到着。奥に茶畑が見え、撮影もできそうなのでこちらへ入ることにしました。

最初人の気配はなかったのですが、奥を覗くとご主人がおられ、茶葉を買いたいと告げると出てきてくださいました。
ここの試飲スペースは小さく、ほぼご主人とサシで飲むスタイル。私は慣れているので問題ありませんが、人によっては少々緊張するかもしれません。

明秀さんは比較的小規模で生産しているのは2種類のみ。比較的スッキリしたタイプと重厚感のあるタイプで、若い人に受けがいいというスッキリタイプの方を淹れてくださいました。そのお味は言われたとおりスッキリした中にまろやかな甘味があり、梨山茶らしさがよく出たお茶です。

お話を伺うと梨山の茶農家は生産が終わると出稼ぎに行ってしまい閉めてしまうところが多いとのこと。確かに市街地に何軒かあった茶葉店には閉まっているところがあり、そういう理由だったようです。明秀さんは子供がこちらの学校に通っているのでこの時期でもいらっしゃるとのことでした。

十分納得の行く味でしたのでお持ち帰りはここで購入。150gで700元でした。梨山茶としてはかなりお値打ちであると思います。

お茶を堪能したあとは茶畑の見学をさせて頂きました。



満足。

ご主人からはこのあたりは街灯ないし暗くなると大変だし、旅館まで歩いて50分かかるから早めに戻ったほうがいいよとのアドバイスを頂き、目的も果たしたので眼下の茶畑には行かず戻ることに(実際には30分くらいでした)。後で天気が崩れてきたので戻って正解でした。

町まで戻ってきたところでまだ明るかったので少し散歩。歴史のありそうな教会。今は整備中で入れないようです。

閉館直前に梨山文物陳列館も見学。原住民や中部横貫公路についての展示があり、割と良かったです。

このあたりで旅館にチェックイン。今回は燕華樓さんへお世話になります。直前の予約だったのでそこそこの料金で空いているところを取ったのですが、設備の比較的整った旅社という感じ。
予約時に告げられた料金を払うとおばちゃんから「あっちのお客さんには言わないでね」と耳打ちされました。どうやら私の料金はディスカウントされたものだったらしいです。

少し休憩してから田舎だし店は早く閉まるだろう、と早めに食事へ行くことにしました。店は先程の散歩で目をつけていたここ。案の定閉店は19時ですでに閉店直前です。

実は梨山キャベツの炒めものを食べたかったのですが、注文するともう終わってしまったとのこと。残念。

看板料理の排骨麵だけいただきました。

店を出るとそろそろ日没時間です。

日付は変わって翌朝。バスの発車まで時間が合ったので昨日行かなかった秘密花園へ行ってみました。
なんと言うか

リア充スポットですね・

しかし眺めはさすが。

バスの時間になり梨山を後にしました。また機会を見つけて来たいと思います。

梨山明秀農場
台中市和平區復興路民生巷34-1號
0910-956899