國立臺灣博物館は現在台北駅付近に4館を展開する博物館で、その中でも圧倒的に長い歴史を誇るのが本館です。その歴史は日本統治時代から始まり、前身の台灣總督府民政部物產陳列館が1908年に成立してから実に117年、1915年現在の建物に移転してからも110年になります。
非常に目立つ場所にあり存在感もありながら意外なほど日本人を含めた外国人の見学者は意外と少なく、私がこれまでにご案内させていただいた方の中でこちらの見学を希望された方は0人。今回はその中身と魅力を簡単に紹介したいと思います。

台北駅から館前路をまっすぐ進むと正面にどんと構えています
バロック様式の立派な建物ですが、実は元々博物館として建てられたものではなく児玉源太郎・後藤新平の記念館でした。それが総督府に寄付されて博物館の建物として使われ始めたもので、その博物館も元々は縦貫鉄道の全通を祝うための一時的なイベントが常設化したもの。つまり中身も外観も予定外の産物でした

まずは建物から見ていきたいと思いますが、入ってすぐ吹き抜けになったロビーに圧倒されます。入場料は向かいの古生物館分館と合わせてわずか30元で、これだけですでに元を取った感じがしますね

天井はステンドグラスになっています

廊下も素晴らしい雰囲気

窓越しに見える二二八公園の緑との調和がいいですね

階段で二階へ

同時期の迎賓館などと比べても引けを取らない造りで、これが個人の記念館として建てられたというのはかなりすごいですね

2階からロビーを見下ろし

所変わってこちらは地下一階の窓(地下と言っても正面玄関が階段を上がったところにあるので実質一階の高さ)でちょっと美術館味がありますね

展示物は公式の案内ですべて見るのに90分かかる分量がありますので、常設展のごく一部を紹介したいと思います

「時代印記」ー各時代を象徴するような展示物を以てストーリーを展開するコーナー

日本統治時代は裕仁皇太子が訪問された際に使われた銀食器や大日本帝国の印などで表現されていました


「何以為家」ー家とは何かをテーマにしたコーナー

「神靈世界」ー原住民の進行にスポットを当てたコーナー

「生態走讀」ー最も力が入っていて見ごたえのあるコーナーがここだと思います。陸・海・空さまざまな動植物の標本・剥製が展示されていて非常に珍しいものも多数あります




アルマジロ氏

これだけの種類のカニを一度に見たのは初めてな気がします

とにかく展示の仕方が素晴らしいのに感心させられましたが、準備に7年の歳月をかけたとのことで納得です

3階にはまったく雰囲気が違う場所があり、研究者の紹介がなされています

日本統治時代からありますので日本人の研究者もいました

休憩できる場所もあるのでゆっくり時間をかけて見ることができます

次は続いて古生物館の紹介をしたいと思います