海洋奇珍園は高雄市の澄清湖風景區内にある少々変わった水族館です。どこが変わっているかというとその建物で、元は蔣介石前総統が中国との戦争に備えて建設した核シェルターでした。前総統の死後ただちに使用中止となり、20年に渡って放置され荒廃しましたが民間企業が運営権を取得し水族館に改装、現在に至ります。
私が初めて台湾を訪れた頃にはすでにあり、当時一度訪問しておりますが今回四半世紀ぶりに再訪となりました。

建物外観(入口)はこのようになっており、すでに普通ではない雰囲気が漂っています。避難用トンネルなので外に見えている部分はここだけです

中に入る前からすでに飛ばしており、核に耐える扉は5トンもの重さがあります

背景は海ですが書いてある文字は「核シェルター」「地下トーチカ」「作戦指揮センター」

元は軍事トンネルなので通路は狭く、非常に独特な造り

どうしても建物に興味がいってしまいますが展示物の良さには定評があり、珍しい&美しい生き物の連続で見ていて飽きません

海中に立つサンゴはまるで木のよう

おなじみヤドカリ

まさか生き物の中にLEDを仕込んでいるとは思えず、自身が発光しているのだと思いますが実に不思議です

昭和のアイドル、タツノオトシゴ

ミノカサゴ氏

油断していると唐突に現れる軍事要素

衛生室は

空っぽでこの施設の由来が書かれていました

スペシャルコーナーにはどんなすごいものがあるのかと入ってみると

特に価値が高い(説明によると国宝級)千年黒珊瑚や

萬年硨磲化貝が展示されていました

引き続き先へ進みます。教科書で見た気がするオウムガイ、ただ置くのではなくカットして美しい断面を見せたりするなどこの水族館は見せ方が上手いなと感じました

会議室は

最も広いスペースでそれらしい雰囲気があります。かつては大きな机などが並べられていたのでしょう

ここは主に白サンゴの展示でどれも盆栽のような美しさ

会議室の奥にはふれあいコーナー

ナマコやヒトデでに触れてしまいます

幕僚室は

海の奇岩コーナー。加工品含め珍しい形をした石が展示されています



本来はそのまま抜けられるはずですが、途中にある売店が休業のため入口へ引き返すようになっていました

建物の奇抜さに加えて展示内容も面白く、お勧めできる施設です。ただ一つ残念なのが少々お金がかかる点で、風景區に入るのに100元+水族館入場料が150元(定価は200元)と二重払いになる関係上合計250元とお高め。高雄市民は風景區が無料なのでいいのかもしれませんが、一般向けにセット割があるといいなと思いました