先日莒光號を代走する復興號を紹介しましたが、実はまだ他にも代走運用が存在しています。それは31次・32次で、元々は莒光號71次・74次であったものでした。

面白いのは前回紹介した列車が格下げで復興號となったのに対し、こちらは格上げされ自強號となったことです。元のスジを踏襲しているのは同じで、発着駅と所要時間は莒光號時代と変わりません。つまり比較的遅いのに対し運賃は上がり若干の「乗り損」列車となってしまっていますが、この列車には大きな魅力があります。

それは充当車両で、これも復興號同様に「余っている車両」に白羽の矢が立つのですが…では自強で余っているのは?それは一部廃車も発生し、引退が囁かれるDR2800型気動車です。惜別乗車の意味も兼ねてそんな代走列車に乗ってきました。

乗車するのは花蓮17:33発の31次。「団体列車」という特殊なカテゴリに属し、先に団体向けに座席を売り余った分が一般発売されます。

ホームに停車中のDR2800。コルゲート加工の車体が特徴的で、いかにもDR2700の直系という感じがします

車両番号と局章は独立したプレート

車体の一方にある非常口。乗降扉に似ているので間違う人が結構いるようです

本物の乗降扉はこちら。脇の大型クーラーの存在感がすごいです

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クーラーが巨大なため通路が長く、クーラー室という表現がぴったり

花蓮を出ると次は台北市内の南港。団体向けの速達ダイヤです。お世辞にもいいとは言えないゴツゴツした乗り心地を堪能しながら台北までの旅を堪能。

今回使用したきっぷ。後に残したい場合郵便局発券は基本

時間はたっぷりありますのでゆっくり車内を観察。台鐵の気動車といえばこの中央の洞門

年季の入ったシート。リクライニングは最近の車両に比べると控えめ

特筆すべきは神奈川県産!東急車輛1982年製造で39歳ということになります

車号

こちらの銘板は更新工事の時のもの

さて、この列車は南港まで時刻表上ノンストップですが途中2本(曜日によっては1本)の普悠瑪號に抜かれます。ではどうやって抜くのかというと、運転停車するのではなく単線並列を生かして走行中に追い抜きます。1本目は中里駅付近で、これまで左側を走っていた列車が右側へ移ると追い越しの合図。窓に反射して見にくいですが、追い抜いていく普悠瑪號のテールランプが写っています

追い抜きが終わると即座に左側へ戻り、すぐに対向の區間車とすれ違ったのはなかなかアクロバティックでした

定刻より15分ほど遅れて台北駅に到着。3時間弱の旅、大変楽しゅうございました。