國光客運は国営の台灣汽車客運(臺汽)が前身のバス業者で、さらに歴史を辿ると国直轄の公路局をルーツに持つ由緒ある会社です。国営時期には長距離輸送を独占して隆盛を極め、台湾全土でその姿を見ることができました。
しかし現在は利用者減などにより経営危機になっており、連日ネガティブなニュースを目にします。
・半年間で2度の給与遅配
・14本の路線を廃止、同時に嘉義以南の南部から撤退
・運転手が流出して足りなくなり、間引き運転の発生
特に南部からの撤退は衝撃的なニュースで、そこまで追い詰められているのかと驚きました。この記事を書いている時点ですでに高速バス以外は運行を終了し、高速バスも来週から別の業者に切り替わります。
先週末は中壢方面へ出かけていました。ここはニュースで取り上げられていた間引き運転の発生現場で、帰りの手段は何でも良かったので実際はどうなのか?丁度現地にいるので試してみることに。
乗車しようとするのは台北行き(1818路)。17:40発の便を狙い、17:35くらいから並びますが…
17:50になってもバスは来ませんでした。報道は真実であったようです。発車案内も黙って次の便のものに切り替わってしまい、お客さんも溜まってしまっています
人員が足りないのは仕方ないとしても減便するならしっかり案内はすべきですし、乗客流出→さらなる減収という悪循環になってしまいます。
報道によると1時間待っても来ないことがあるようなのであきらめて台鐵を利用しました。廃止となった南部の営業所から移ってくる人もいるようなので、今後は改善していくでしょうか?
高雄線の案内看板。これも来週で見納めになります
現在バス業界全体が苦境に立たされており廃業や縮小が相次いでいますが、会社によって落差がありその中でも國光客運はかなり苦しい立ち位置にあります。不採算路線の運行を続けたり、運行できなくなった他社の代行輸送をしたり社会貢献度は高い会社で、國光客運が頼みの綱という地域もあります。なんとかこの苦境を乗り切って頑張ってほしいと思います