10月10日國慶節の日に合わせて高雄に新しい公園がオープンしました。ゴルフ場をそのまま転用したという非常にユニークな公園で、計画からオープンまで半年に満たない期間で整備されたので元の施設がそっくり残っています。
そんな特色ある公園のオープン2日目に行ってきました。

公園があるのは澄清湖の西隣。元々はゴルフ場でしたので公共交通はなく、アクセスするには近くまでバスなどで行ってそこから徒歩か…と思っていたら意外にもUbikeが整備されており敷地内まで行けるようになっていました。
坂を上がっていくとゴルフボールのモニュメントに出迎えられ、右の方にクラブハウスらしきものが見えています。まるっきりゴルフ場で公園に向かっている感覚は皆無

クラブハウス跡地前にはまだマップにも載っていないバス路線が乗り入れており、高雄市政府の本気を感じます

建物にそのまま残るゴルフ場時代のロゴ

クラブハウスは閉鎖されていて入ることはできませんが、ガラス越しに覗いてみました

園内マップ。18ホールがそのまま残っていて非常に特徴的です

カートも転用されていて園内巡回車として利用されている様子

これは何の建物でしょうか?ここにもカントリークラブのロゴが残っています

高台に立つとゴルフ場公式サイト(現在も閲覧可能)の画像そのままの光景が広がっていました

分岐には案内ポールが立っているほか

路面にペイントもされていてどのホールに向かっているかがわかるようになっています

律儀に1番ホールから回る必要はまったくありませんので気が向く方へ。ここは11番ホール、ティーショットの場所からグリーン方向を望む

ここはGoogleマップ上で大葉桃花新木樹蔭という名称が付けられていました

フェアウェイ

ラフ

草ボーボーのイメージだったのですが、意外と差は少ないのですね。コース上も自由に入れるのですが、暑いので日陰のある脇の道を歩く人がほとんどでした

そしてコースは平らなイメージでしたが実際にはかなり起伏があり、いい運動になりそう

バンカー出現

グリーンにやってきました。どのホールでもここで旗を持って写真を撮る人が圧倒的に多かったです

カップはこうなっているのですね

各ホールのちょっとレトロな看板もそのまま

3番ホール。ここはショート

公園としては非常に快適で優秀、日陰に入り風が吹き抜けていくとなんとも言えない心地よさがあります


少し高いところから大葉桃花新木樹蔭

これは…あの有名な池ポチャですね

18番ホールのグリーンは台湾最南端だそうです。屏東ではないのですね

せっかくなので最南端で1枚

非常にユニークかつ快適な公園でお勧めできるスポットなのですが、明るい雰囲気と裏腹に黒い話もありますので最後に公園成立の背景について簡単に説明しておこうと思います。
前身となるゴルフ場は1961年から営業しており60年以上の歴史がありますが、土地は高雄市(当時は高雄縣)の持ち物で借地でした。そしてそもそも廃業するつもりなど毛頭なく、契約を続けるつもりでしたが長期に渡る違法農薬使用などを理由に更新を断られてしまいます。

契約満了後もゴルフ場側は営業を続け、今年2月に水道電気を強制停止されてもなお止めることはありませんでした。一旦市に移管して再度貸し出すことも提案されましたがゴルフ場側は戻って来る見込みは低いと考え話し合いは成立せず。少なくとも今年5月の時点で問題は決着しておらず、今もなおゴルフ場の公式サイトがそのまま残っておりマップ上でも「営業休止」となっているのが彼らがそれを受け入れていないことをよく表していると思います(営業を取りやめる場合会員権を持つ人たちへの補償問題もあったようです)。

それが10月には公園としてオープンしていますので市としてはとにかく早く公園化の既成事実を作り、元に戻ることを防ぎたかったのだろうと推測しています。以前のロゴがそのまま残っていたり、変更が最低限になっているのも敢えて残したというより時間がなかったのでしょう。
ゴルフ場を運営していたのは高雄三大有力者の一つである陳家で、市政府はその圧力に耐えられないと言われていましたがこうして成功しています。もしかしたら今後また一悶着あるのかもしれません